ピアノのレッスンに関することをQ&A方式でまとめてみました。
その他、疑問に思う点や、ホームページに載せておいてほしいことなどありましたら、お問い合わせフォームからお知らせください。

レッスンを始める際、楽器は必要ですか?
レッスンの内容を自宅で復習したり、間違えないように弾きこなしたりするためには、楽器は必須です。
無くてもレッスン自体は可能ですが、進み方がかなり遅くなったり、途中で行き詰る可能性が高いです。
電子ピアノでも大丈夫ですか?
アコースティックのピアノが理想ですが、電子ピアノでも練習は可能です。ただし使い方に注意が必要です。
以下の点に注意して(意識して)練習してみてください。
@音量を適正にしましょう。
音量が小さすぎると、強く叩きつけるように弾く癖がついてしまいます。逆に大きすぎると、鍵盤の底まで押し切らないような弾き方になってしまいます。ヘッドフォンはつけてもつけなくても良いので、本物の(アコースティックの)ピアノを弾いたときの音量と同じ音量に調整しましょう。
A本物の(アコースティックの)ピアノを弾いているイメージを持って弾きましょう 。
これは、アップライトピアノとグランドピアノの違いでも同じなのですが、譜面台(楽譜)の位置が、鍵盤にかなり近いので、レッスンに来てグランドピアノで弾くときに戸惑います。スペースに余裕があれば、譜面台を別途購入して、楽器の前に立てて使うと良いと思います。
また、電子ピアノやアップライトピアノはたいてい壁に向けておくと思いますので、グランドピアノを弾くときと比べて壁までの距離がだいぶ違いますので、視界が変わります。弾いているときの視界の違いも意識すると、レッスンで戸惑いが減ると思います。
B音色をコントロールする練習はできません。
電子ピアノは、鍵盤がセンサーになっていて、強さや押している時間を感知して、事前に録音された音を再生する仕組みになっています。つまり、各鍵盤が再生ボタンみたいな役割になっています。
電子ピアノからなる音は、最高級のピアノ(ヤマハならCFX、カワイならシゲルカワイなど)をコンサートホールで何本ものマイクを使って録音したものが鳴ります。ですからどんな弾き方をしても最高の音が鳴ります。
一方でアコースティックのピアノは、鍵盤を押すと張ってある弦をハンマーが鍵盤の動きに連動して叩いて音が鳴ります。自分の指先からの力が鍵盤を通じて直接、発音源である弦に伝わります。野球のバットの真芯に当たったときと、芯から外れた場所に当たったときの打球のように、音の鳴り方も変わります。
このような違いを意識して、電子ピアノでの練習はもっぱらテクニック(弾けないところを弾けるようにするとか、指を鍛える練習をするなど)の練習に当て、レッスンに来たときに音色を意識するなどの意識の切り替えができると効率よく上達すると思います。
どんな楽器を買ったらいいですか?
多くの方は電子ピアノを選ばれると思いますので、電子ピアノの特徴を紹介します。
実際に家電量販店や楽器屋さんに行って実物を触ってみると良いと思います。
★「キーボード」と「電子ピアノ」
まず、大きく分類すると「キーボード」と呼ばれるものと、「電子ピアノ」と呼ばれるものに分かれます。
「キーボード」は、鍵盤の数がだいたい44から61の物が多いと思います。そして鍵盤を押すと「ペコペコ」とした感触で、かなり軽いです。ピアノの鍵盤を弾くときの重さは、標準で50gだそうです。(鍵盤の上に50gのおもりを置くと沈み込んで底まで届く)
この「キーボード」というタイプは「ピアノ」とは大きく異なるものですので、ピアノのお稽古には向いていません。
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↑左がキーボード 右が電子ピアノ
一方で「電子ピアノ」と呼ばれるタイプは、多くの機種がピアノと同じ88個の鍵盤が付いています。鍵盤の重さも実際のピアノに近い重さに調節されています。ピアノのお稽古に使うときはこちらのタイプを選びましょう。
★形状の違い
電子ピアノには、「卓上タイプ」と「据え置きタイプ」の2つがあります。

「卓上タイプ」は、鍵盤、スイッチ類、スピーカーなどがひとまとめになった細長い直方体の形状をしています。机の上に置いて演奏できます。または、キーボード用の折りたたみ式のスタンドも別売りでありますので、そちらを利用してもよいでしょう。簡易的なペダルも付いていることが多いので、ペダルを使う曲でも弾くことができます。
置き場所については、極力ピアノと同じ高さになるように調整すると良いでしょう。概ね床から白鍵の打面までの高さが73cmと言われています。使わないときに立ててしまえるところがメリットです。コンパクトな反面、スピーカーはやや貧弱なので、リアル感は据え置き型に比べて少なくなります。

「据え置きタイプ」はスタンドやペダルなどがすべて筐体として組み上がっているものです。設置する場所を確保する必要がありますが、薄型のものを選べば、それほど奥行きを取りません。
「ピアノの代替品」としての性格を持ちますので、鍵盤の高さや、ペダルの形などピアノに準じたデザインになっています。
結局どれがいいのか?
いろいろなタイプを紹介しましたが、実際買うのには、好みで良いと思います。実際に家電量販店や楽器屋さんに行って実物を触ってみて、鍵盤の感触、音色、機能、デザイン、価格などを総合的に判断して、「これいいな」と思えるものを購入しましょう。「安いからダメ」「高いからいい」というものでもありません。
1つ意識しておいたほうがいいのは、「電子ピアノ」は「家電品」であるということです。家電品は法律により修理用の部品を発売から10年間用意しておくことになっています。逆に言うと発売から10年経った製品が故障した場合に、治す手段が無くなる可能性があるということです。そのへんの事情も踏まえて候補を挙げてみて、実物を触ったり、ネットのレビューを見たりして決めてみましょう。
アコースティックピアノの場合は?
アコースティックピアノがおける環境がある方は、アコースティックピアノが絶対的におすすめです。
家庭に置く場合は「アップライトピアノ」と言われる縦型のピアノが候補に上がると思います。

←アップライトピアノ
ピアノには実に様々な種類があります。アップライトピアノでは、主に高さの違いと譜面台の形状によってグレードが分かれています。
多くの場合は鍵盤の蓋のところに譜面を置く台がついていますが、高級な機種になると、グランド型の譜面台という蓋の上部に譜面台があるタイプもあります。

←グランド型

←木目で猫足
また、背の低いコンパクトなタイプもあります。
メーカーも「ヤマハ」や「カワイ」といった国内のメーカーは有名ですが、他にも「アポロ」「アトラス」「オオハシ」「エンシュウ」なども国内メーカー品もあります。
詳しくはYouTubeの「ぴあの屋ドットコム」というチャンネルで社長さんが説明してくれている動画がありますので、そちらを参考にしてみてください。
ピアノの上手な選び方